fugetsu
仙台から離れるまで後1週間。
ここ数日は、仙台の思い出に残るおいしいお店を色々回ってる。

そのなかでも、全国区といってもいいお好み焼きチェーン鶴橋風月の仙台店は思い出に残る店の1つだ(全然仙台とは関係ないけどネ)。4年半前、私が仙台に住み始めた頃にはまともな関西風お好み焼き屋は殆どなかった。「ぼてじゅう」はまぁまずくはないけど、高くてまた行こうという気にはならないし、「栄ちゃん」は狭いし落ち着かないし、本当にコレ!というお好み焼き屋はなかった。そんな中、Kuraxというビルが金研の近くにできて、風月が店舗に入ると聞いたときは大喜びしたものである。なぜなら関西に住んでた頃から風月の大ファンだったからである。

開店数日後はKuraxビル自体が大盛況だったので、なかなか近寄れなかったが、1ヶ月たって落ち着いた頃初めてお店に行った。私的にはひさしぶりに風月の味を堪能できたので、最初の方はうれしかったんだけど、数回行くうちにお好み焼きを焼いてくれる店員のヘタクソさ加減に嫌気がさしてきた。確かに普通のお好み焼きに比べて風月のお好み焼きは生地が少なく焼くのがむずかしそうだ。だけど、何回も来てて、同じ人が焼いてるのに、その技術が上達しないのはどういうことだ??とよく思ったものである。あと、当時の店長がひどかった。教育する気もないのか、まるでやる気のない店長だったのである。
その当時まともに焼ける店員さんはいつも不機嫌なおねーさん一人だけで、他のにーちゃんらは超ヘタクソ。なので、おいしいお好み焼きに巡り会える確率は約1/3。だいたいいつもキャベツが半生だったり、ひっくり返す時にくずされたりするような、宝くじ的(当たり!ハズレ!)なお好み焼きであった。当時は、たまに出会う光る(当たりの)お好み焼きを求めて風月に行っていたような気がする。

しかし2年前に奇跡が起こる。
いつものように、山下君(ぷよぷよ世界ランキング12位)と仮屋君と光るお好みを求めて、風月にいった。ぼけーっと他のテーブルで焼いてる店員さんをみると、めちゃくちゃうまくかき混ぜてる店員さんがいるではないか!思わず「あ、あの子うまい」と口に出てしまう。注文を終えて、その店員さん(Sさん)が焼いてくれる事になる。店員さんのネームプレートには研修中と書いてあるが、その手さばきはまさに芸術的。大阪の風月に行って時に見てたような手さばきである。途中でSさんがひっくり返す時に、お好み焼きが鉄板にひっかかって、いつものパターンなら「あっくずれる!」と思ったが、最初の混ぜ方が見事なので、お好み焼きはビクともせずパタンとひっくり返る。もうすごいとしかいいようがない。これはもう期待せざる終えない。山下君と二人でこれはイケてるに違いないと確信した。一口食べてみると、もうパラダイス。いつもなら、だらだら15分ぐらいかけて食ってるお好み焼きを、3人で10分もたたないうちに平らげてしまった。

Sさんは本当にわてらにとって救世主で、研修中にもかかわらず、そのテクニックは当時の他の店員さんに比べて飛び抜けてうまかったのだ(特に男の子の店員は触るなって思うぐらいヘタクソであった)。
その後、いつも風月に行くときは「Sさんに焼いてもらえますように」と祈りながら行ってたが、しまいには、ずうずうしく直接Sさんに焼いてと頼むようになってしまいました。

時は流れて、店長も変わり、他の店員さんの相対的なレベルがあがったためか(?)、Sさんも厨房をまかされるようになって、なかなか直接お好み焼きを焼いてもらえる機会は少なくなったが、お店に来る度に挨拶してもらってて仙台思い出の店の一つになってます。

なので前置きが長くなったけど、仙台からいなくなるので、今日は挨拶がてら風月に行ってきました〜。
いつもなら、牛スジネギ玉モダン(ラージ)なんだけど、今回はいままであまりたべた事のない、えびぶた玉モダン(ラージ)を注文。厨房でSさんが一所懸命準備してくれる。うーん見事な盛りつけ。Sさんの同僚さんが焼いてくれて、見事な風月のお好み焼きの出来上がり。すばらしい!
いや〜ぁ開店当時の店員さんのレベルからしたら本当に進歩したよな〜ぁとしばし感激。このままならこの店も安泰だなと思ってたら、Sさんが挨拶に来てくれる。

おおしま「いや〜ぁ私、来週仙台からいなくなるので、とりあえず最後に行っといて挨拶しにいこうかなぁと思って〜」
Sさん「そうなんですかぁ、実はこの店来週で閉店するので、お客さんきてくれるのをまってたのですよ〜、よかったです〜」
おおしま「えぇぇっっ!そうなの????」
Sさん「はい、東北から完全撤退です」
な、なんと仙台出発の日に思い出の店がなくなりますかぁぁ〜。うーむ残念というかなんたる偶然。
スタッフのレベルが上がってきてお客さんも入るようになってきた矢先に閉店ですか。。。トホホ。。。

仕方ないので、最後の仙台風月のモダン焼きを堪能し、店を後にしました。
Sさんはお勘定の時にまた挨拶しに来てくれて、最後に記念撮影をしましたぁ。

Sasaki-san

最後にSさんに一言、
いままですばらしいお好み焼きを我々に提供していただいて、どうもありがとうございました。
店が閉まっても、あなたの頑張りとそのたぐいまれない技術があればどこでもやっていけます!
あなたなら必ずできます!今後のご活躍をお祈り申し上げます。がんばってくださいね〜♪


山下君へ、
もう仙台に出張で来ても風月ないよ。くるなら今週中に来てね。