写真 2013-02-05 11 28 51写真 2013-02-05 11 26 17
MPMS(磁気特性測定システム)のサンプル近傍にある温度計が壊れた。温度計はセルノックスだからせいぜい数十万の修理代になると思っていたのだが、温度計単体での交換は不可という事で、サンプルチューブ総取っ替えの100万コースになった。(相変わらずいい商売してんなぁと最初は思っていたのだが)実際現物を見ると、まぁ100万してもおかしくないわなという造りである。おまけに壊れた方のサンプルチューブの惨状を見ると、総取っ替えも仕方ないと思った。

結論から言うと、某人物がサンプルスペースに空気をガンガン入れてしまい、それを急激に暖めたため、中が爆裂してサンプルチューブが膨らんだのである。温度計は膨らんだサンプルチューブと外管に挟まれて、お亡くなりになった模様である。写真では分かりにくいが、壊れた方(左)が新しい方(右)より膨らんでいる。サンプルチューブの中身はパイプなので、それが膨らむという事は、小さな爆発が中で起こったようなものだ(上部に安全弁があるが、パイプが長くてある程度インピーダンスがあるので、こうなるらしい)。
おまけにサンプルチューブが膨らんで外管に引っかかっていたため、抜くのに1時間以上かかった。カンタムデザインの人が必死こいて抜いてくれたから良かったけど、これが抜けなかったら外管も総取っ替えになり、危うくもう100万かかるところだった。

交換後のチェックを含めて、結局丸一日つぶれてしまった。おまけに100万を値切ったから、今回の交換のみの作業で業者は撤収。クールダウン後のチェックは自分らでしてくれと言われた。このクソ忙しい時期に。シクシク。

ちなみに空気が混入した諸悪の根源サンプルホルダーをチェックすると、日曜大工よりひどいものであった。こんなんで真空保てると思ってんのか。ありえねー。
正直、空気を入れた某人物にこの請求書を送りつけてやりたい気分である。

もう1回ハッキリ言っておこうっと。
共同利用機器は試しにムチャクチャやっていいという機器ではありません。他のユーザーに迷惑がかかるだけでなく、大きな事故に繋がる可能性もあるのだと肝に銘じて下さい。
新しいチャレンジを否定するつもりはありませんが、常識ある「まとも」なプローブになるまで使わないで下さい。できないなら、相談して下さい。