BlogPaintトランジスタの仕組みはいつもわすれてしまう。前回のダイオードはPN接合を持つ素子だけど、トランジスタはNPNあるいはPNP接続を持つ素子で、信号増幅やスイッチ作用が実現される。

ベース(B)-エミッタ(E)間に順方向のバイアスがかかっていると、エミッタからベースに電子が流れ込む。しかし、実際ベースは薄いので、殆どの電子はコレクタへ通過してしまう。入力電圧がViが高いとエミッタからコレクタに入る電子が多くなり出力電流が高くなる。この時RLによる電圧降下のため出力電圧Voは低い。一方、Viが低いと通過電子が減るので出力電流は低く、Voは高い。通常、コレクタ電流icとベース電流iBは比例関係にあり、ic=hFE x iB で表される。hFEは電流増幅率。

ベース電流がゼロの時はコレクタ電流が遮断される(カットオフ:赤線)。この時トランジスタはOFF。
ベースに電圧をかけるとベース電流及びコレクタ電流が発生し、トランジスタはON。
ベース電流iBに対して、VCEとicの関係をみたものがコレクタ特性という。特性曲線がベース電流によって異なる直線になっているエリアを線形領域(or能動領域:青)といい、微小信号の増幅にはこの領域を用いる。一方で、ベース電流によらず、特性曲線がほぼ1本に集中する領域を飽和領域(:緑)とよぶ。スイッチとしてトランジスタを使うときは飽和領域とカットオフを利用する。

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トランジスタを利用する時、基本、コレクタホロワ(共通エミッタ型)回路を用いる。これに対して、コレクタを共通にするエミッタホロワ(共通コレクタ型)もある。どちらも入力端子はベースであるが、負荷が接続される端子が違う。その他の違いとして、

  • コレクタホロワでは、入出力のH,Lレベルが反転するが、エミッタホロワは反転しない。
  • エミッタホロワの電圧増幅率は殆ど1。コレクタホロワは自由に調整できる。
  • コレクタホロワではベースに接続した抵抗RBが入力インピーダンス。特に大きな値にはならないため、ベースに大きな電流が流れる。エミッタホロワではVi=VBE+(hFE+1) x iB x RLという関係が成り立ち、近似で入力インピーダンス=Vi/iB〜hFE x RLとなるため、RLが小さくてもhFEが大きいのでインピーダンスが高い。ベースに流れる電流が小さい。


あぁ〜奥が深い(間違ってなきゃ良いけど)。